『じゃあな、また連絡するよ』

シュンはその場を立ち去った。

『さてと、あたしも帰るか…』

白い息を零しながらユキネが空を見上げると、白い雪がちらつき始めた。

『雪か…』

ユキネがちらつく雪を見つめていると、パトカーのサイレンが鳴り響いていた。

ユキネは歩きだし大通りに差し掛かると、一人のお年寄りが荷物を抱えてゆったりと横断歩道を歩いていた。

ユキネはそれを見て、お年寄りに駆け寄った。

『おばあちゃん、持ってあげます』

ユキネはそう言ってお年寄りの荷物を持った。

『おお、すまんね〜』

『いえ…』

ユキネはお年寄りとペースを合わし、荷物を持ちながらゆっくりと横断歩道を歩いた。

『お嬢ちゃん、ありがとね』

横断歩道を渡り切った所でお年寄りはユキネにお礼を言った。

『じゃあ、気をつけて下さい』

ユキネがそう言って立ち去ろうとすると、お年寄りがユキネを呼び止めた。