二人が話していると突然慌ただしく小林誠吾がスタジオに入って来た。

小林誠吾はユキネを見つけるなり、ユキネに歩みよった。

『ユキネ!!今さっきシュンから連絡を受けた。君のお母さんが倒れて病院に運ばれたらしい…』

小林誠吾は周りに聞こえないように小声で言った。

『ママが!?』

ユキネはただ驚くしかなかった。

『今すぐ病院に行け!!場所は…だ』

『ハ、ハイ!!』

ユキネは急いでスタジオを出た。

『あ、あたしも行く』

ハナもユキネが心配でユキネを追いかけた。

ユキネとハナは病院まで必死に走った。

ユキネが病院の前までたどり着くと、病院の入口から埼京 優一が出て来た。

『さ、埼京…』

ユキネは驚いたが、埼京を無視して横を通りすぎようとした。

『ユキネ…』

埼京は、横を通りすぎたユキネの名前を静かに呼んだ。