数日が過ぎ、ユキネはこの日もレッスンに励んでいた。

『じゃあ、10分ほど休憩にするわ』

カオルはそう言ってスタジオを出て行った。

『ユキネ〜』

休憩に入ると同時に、ハナはユキネの傍にやってきた。

『ねぇ、ユキネ。ユキネは最近ストリートで歌ってるんだってね?』

『ああ…』

ユキネは素っ気なく返事した。

『凄いなー、ストリートって恥ずかしくないの?』

『恥ずかしいさ…でも、恥ずかしいけど楽しいから』

ユキネはニコッと笑った。

『やっぱり楽しいんだ…ああ、あたしも早くユキネみたいに歌がうまくなって…それでストリートやりたいなー』

ハナはストリートで歌っている自分の姿を頭の中に思い描いた。

『そっか、あたしもまだまだだしハナ、お互い頑張ろう』

ユキネは笑顔でハナに言った。

『うん、あたしも頑張る』

ハナは笑顔でうなづきそう言った。