『な、ならないよ!!なる訳ないだろ』

少女はそう言って立ち去ろうとした。

『おい、待てって』

シュンは立ち去ろうとする少女の腕を掴んだ。

『放せよっ!!』

少女はシュンの手を振り払った。

『俺がお前をプロデュースしてやる。だから、本気で歌を歌ってみようぜ』

シュンは少女の目をまじまじと見つめた。

少女はあまりにも真剣なシュンに少し戸惑っていた。

『オッサン何かに何が出来るんだよ!!あたしは…歌わない…』

少女はそう言って、暗闇の中へと消えて行った。

『歌わないか…』

シュンは公園のベンチに座り、少女の歌声を思い出しながら考え事をしていた。

『あの歌声は…勿体ないよな。どうすれば彼女は本気で歌を歌ってくれるんだろうか…』

そしてシュンはベンチから立ち上がり、明日のライブのためにホテルへと戻り休息をとった。