フレンズが解散し、メンバーがそれぞれ別々の道を歩き出し、2年が過ぎた。


黒いハットがトレードマークのシュンは、アメリカのビックバンド“ルナティック・ゼロ”のギタリストとして、世界で活躍していた。

そして“ルナティック・ゼロ”はツアーのために来日していた。


『Thank you!!』

ライブ終了と同時にルナティック・ゼロのメンバーたちは、ステージ上から客席に向かって頭を下げた。

『いやー、やっぱ日本は良いなー』

シュンは楽屋に戻り、椅子に座ってメンバーに言った。

『シュン。オキャクサンダ』

メンバーのライトが、楽屋に入って来るなりシュンに言った。

『お客?俺に?』

『カイジョウノイリグチデマッテル』

『誰だ一体。サンキューライト』

シュンはそう言って、楽屋を出て会場の入口へと向かった。

シュンが入口までやってくると、茶髪で髪の長い女性が立っていた。

『レイナ!!』

シュンは女性に駆け寄った。