部屋についていた重い扉が開いた。 「愛!!!!」 誰かがあたしの名前を叫んで呼んだ。 そして、ほんの瞬きの間に抱きつかれた。 「・・・杏子?」 「愛・・・」 目に涙を溜めてあたしを見上げる杏子。 どうして? 「おい!キョウコ、どけ。おらっ」 そういってあたしから杏子を離したのは、金髪で長身の男だった。 あたしが最後に見た男だ。 「ヤダヤダっ!!放してよ!!」 その人に掴まれた腕をブンブン振って、ジタバタする杏子をまた別の男が止めた。 「黙れキョウコ」