ルール1
他人に迷惑をかけない

ルール2
ヤクには手を出さない

ルール3
キョウヘイの命令は絶対

ルール4
──・・・



これが紅狼でのルールだった。


金髪で長身のやつはアキラって名前らしい。


あの日、あたしはなんだかんだであの赤髪のキョウヘイって男になだめられて落ち着いた。


泣きやんだあたしをソファーに座らせて、ホットミルクをだしてくれた。


杏子はあたしのことを愛って呼ぶけれど、キョウヘイとアキラはあたしのことをレイって呼ぶ。


そのあと、キョウヘイはアキラにあたしと杏子を送るように言った。


あたしと杏子は黒い車に乗った。


杏子が泣いてから、あたしが泣いてから、あたしたちは何も話していなかった。


先に口を開いたのは、あたしだった。