『なんだよ…いきなり』


そう言うと凛子は不満げな顔をする。



「あたしは恭ちゃんのこと、好きだよ。

お兄ちゃんよりも好き」


今の言葉、哲に聞かせたらアイツ悲しむだろうな。

哲、シスコンだし。




「じゃあ恭ちゃんは?

あたしのこと…好き?」



『当たり前じゃん』


好き、なんて恥ずかしくて言えなくて。

だから、当たり前じゃんなんて返事して。



『好き』

なんてたった2文字なのになんで、言えないんだろう。



「もういいよっ!

あたし、帰る!!」


突然、怒り出す凛子。



そして、走って行ってしまう。




え…?

俺、今なんか悪いこと…言った??