朝。
ただいま7時です。
彼の携帯の目覚ましがけたたましく鳴っています。
でも重たい目蓋は一向に開こうとしません。
そして目覚ましは一度諦めて静かになります。
それを何度か繰り返すと、彼が起きます。
仕事に行くのです。
彼は歯磨きを始めて、私の真横にしゃがみこむんです。


「可愛い…」


彼は必ずこう言って、私の肩を叩きます。
ふふ、寝てると思ってるでしょうけど、私知ってるんです。
彼は毎日朝一番、私に可愛いって言ってくれる事。


「起きて、朝だよ?」

「うぅ~」


彼は優しくって、これで私が起きなくても無理に起こしたりはしないんだ。
嬉しいけど、私は彼をちゃんとお見送りしたいんだ~


「おはよう~…」

「眠そうだね?もう少し寝てる?」

「うぅん、起きる。準備する~」


起きて、彼がトイレに行っている間に彼の荷物を集めておく。
お弁当・携帯・お財布・髭剃り…
彼は車で通勤する。
途中で髭を剃っていくらしい。
だから夜に充電して朝持って行くんだ。
彼がトイレから出てきて、制服を着る。
これを着たら行っちゃうんだなぁ…
制服を着て、私に微笑みかけた。


「それじゃ、行ってくるね?」


まずは私の唇に一度、おなかに一度、また唇に一度キスを落とす。
私と、おなかの子に行ってきます。


「行ってきます!愛してるよ。」

「うん、愛してる。行ってらっしゃ~い!」


行っちゃった。
寂しいな…