バリアの中で眠ってる二人の顔を、あたしはバリアの外で見つめた。



傷はファイのおかげで塞がってるけど、まだ起きる気配がしない。



でも、さっきよりだいぶ顔色が良くなってるのを見て、少し胸がほっとした。



そういえば、ライオスは?


襲ってこないライオスを不思議に思ったあたしは、後ろを振り返ってみた。



見ると、遠くの方でライオスは苦しそうにうめき声をあげながら、うずくまっていた。


あの光で相当ダメージを受けたんだろう。


『早くしないと、ライオスが襲ってくるっす!』


ファイはぼーっとライオスの様子を見てるあたしに向かって、声を張り上げた。


その声で脳がくらくらして、気持ち悪くなってきた。


「そんな大声だすなよ!」


あたしはバリアの中に鞘を放り投げると、ライオスに向き直った。