帰ることに賛成した2人は木から飛び降りようとしたが、マリスが動こうとしない。



「マリス、何やってんだい。さっさと帰るよ!」


マリスの様子にクルーエルが厳しい口調で言った。



「俺……もう少し尾行するわ。」


マリスはクルーエルに見向きもしないで、ただ、茜菜の後ろ姿を見つめていると、


「あっそ。勝手にしな」


クルーエルは素っ気ない言葉を残して、木から飛び降りた。


飛び降りた先には黒い穴があり、穴の奥深くまで闇で染まっている所にクルーエルは吸い込まれるように消えていった。