結城のはしゃぐ姿に、小絵はほっとしていた…



-それだと日本のオコゼみたいじゃないですか♪


嫌ですわ!
そんな魚は無いんですよ。

海老なんです。 今ここは海老が旬なんですよ♪ -



「あっそうなの …
今は海老が旬なんですか。 そりゃ、楽しみだなあ♪」

-結城様も、けっこう面白いことを、おっしゃるんですねえ-


「それがね…♪
何だか、ここに着いてから
頬が緩んでしかたがないんですよ…」



-それは、きっとここが… おもちゃみたいに、

かわいい町だからじゃないでしょうか …-



「そうかもしれないね…
何だか、断崖の家を見たら楽しくなっちゃってね」


-ほんとに …♪
かわいい町ですねえ-



そのホテルのテラスからは、山を背にして急な斜面に

張り付くようにして建てられている家が見える。


赤、グリーン、黄色、白、 オレンジ色のまるで…


パステルカラ-のクレヨンを撒き散らかしたようだ。


それに、所々の緑の繁みは レモンやオレンジの木が植えられている。



下を眺めれば、すぐそこはアマルフィ海岸だ…



青い海は…、
空の色と見まごうほどの、青い色を称えて広がっていた。