「ということは」


 美香さんが口を開いた。

「昨日、家に帰ってない

ということですか?」

「そうなります」


 玲華はあまり他人に昨日からの

ことを言いたくはなかったが、

少しくらい説明しないと

分かってもらえなさそうなので

仕方なく話すことにした。


 蓮の名前は伏せ、同じ学校の

男子、と言っておいた。

美香さんは最後まで黙って

聞いてくれた。

「そのようでしたら、

我が小見家のSPや警察とともに

その倉庫に入り込むという…」

「私も、そう思っています。

残念ながら私にはどうする

こともできないのです」

「分かりました。多分、

亜樹菜様も協力して

くれるでしょう」

「ありがとうございます」


 美香さんにお礼を言って、

玲華は亜樹菜の帰りを

待つことにした。