「お前は蓮が、ここに

連れてこられた理由、分かるか?」

「分かりません」


 瀬戸は、灰が多くなったタバコを見て、

灰皿を取ってよこした。

「そうか。まだ連絡がないということは

お前はしばらくの間、ここで

監禁されることになる」

「えっ」


 玲華は瀬戸の言う言葉をよく

理解できずにいた。

「大丈夫だよ、何にもしねぇさ。

まぁ、してくる奴もいるかも

しんねぇけど、命だけは保障してやる」


 瀬戸は意味深く笑いを浮かべて、

今度はこの部屋の鍵を閉めた。

「いいか。今からここは俺とお前の部屋だ。」


 玲華はもう何を言っても、今日中に家に

帰れそうもないので、ずっと黙っていた。

「俺は今から用事がある。ドアの鍵を開けて

逃げることも出来るが、部屋のすぐ外に

見張りを置いている。窓は鉄格子だから

逃げられない。大人しく待ってるんだな」


 玲華は力なく頷いて、瀬戸が

部屋を出るのを見送った。