その2時間前。

玲華はお昼、屋上に来ていた。

蓮と会う約束をしていたのだ。

「あ、玲華。こっちこっち」

 屋上のドアを開け、キョロキョロ

している玲華に向かって、蓮が

手を振っていた。玲華も振り返して

蓮の元に駆け寄った。

「待ちくたびれたよ」


 蓮がベンチに戻りながら言った。

「授業あったもん。あ、そうだ

今日さ…」


 大事な事は先に言わないと、

話に流されてしまいそうだった。

「ん?何、どうしたの」

「今日…一緒に帰れないかなって」


 これを言うのに、物凄く

勇気が要った。玲華は顔が真っ赤に

なっていたと思う。

「え、マジ!?やった!

いいよ、いいよ、帰ろう!」

 蓮の答えはすぐに返ってきた。

しかも喜んでくれてるし、

玲華は心が落ち着いたのもあって

自然に笑いがこぼれた。