「応援団」



先輩の声を

初めて聞いた



ずっと遠くから

素敵な人だと憧れていた



応援団長の先輩



先輩の大きな声



1年の私達には優しい先輩



先輩と同じ服を着て

先輩と同じ歌を歌う




来年の体育祭


先輩はもういない




だから精一杯頑張るよ



先輩の想い受け継いで


来年も再来年も応援団に入るから





夢は


女子の応援団長



卒業した先輩が

見に来てくれること


期待して




長い学ラン


背中に赤い文字




『優勝!』




代々受け継がれているというあの服を


いつか私が着れるよう





先輩に負けないくらい大きな声を出す



二度と戻らない今を


精一杯生きる




先輩と過ごしたこの日々を


先輩と練習した応援を


先輩と一緒に参加する最初で最後の体育祭を





『赤組優勝目指して!』



大きな先輩の声



午後の最初の演目




みんなの視線を浴びて


輝く先輩



その背中を忘れない


その背中に近づけるよう




涙が出るほど








生きているって


感じる