翔先輩は目尻をつりあげて俺を睨みつけてきた。
……涙目で。
「負けねえからな。
覚えてろよ~~~」
そう言って背を向けてかけていく。
そんな俺たちの姿を見て首を傾げる夢先輩。
翔先輩って、つくづく不敏だよな。
あんなバレバレな気持ちに気づいてもらえてないし。
「ふーじくん。
私たちも帰ろっ」
「ああ……」
草汰に見送られ家路を歩き出す。
今まで日常的に歩いたことのなかった道は、毎日無理やり送らされるようになってからは当たり前の日常に変わってしまった。
……こうやって夢先輩を送ることになんの疑問も抵抗もなくなったのが恐ろしい。
マジで彼氏の一歩手前じゃね?

