にゃんことわんこ


夢先輩は飛び込んできた勢いでそのまま俺に飛びついてきた。



「はあ~。藤くんを抱き締めるだけで今日1日の寂しさなんて吹き飛んじゃうなあ」



「せ、先輩。離して下さい」



「もうちょっともうちょっと」



リラックスするみたいに頬をすりよせてくるけど、
前を……前を見てほしい。



翔先輩の顔注目!!



歪んでるし黒い沈んだオーラ出てるから。



「ゆ、夢……」



「あ、翔ちゃん。いたんだね」



今気づいたのかよ。



可哀想すぎる。



翔先輩は俯いてワナワナと震えだした。



こ、怖え。



夢先輩はそんなのシカトしてなんな独りで喋ってるし。