右手の上に左手の肘をのせ、指で顎に触ってかっこつけてるようだけど、全然キマってない。
むしろアホにしか見えない。
夢先輩といい翔先輩といい、高等部って変な人しかいないのか?
変人高校……いやアホ高校だ、この学校は。
「というわけで」
どこから出したのか、両手にけん玉。
その片方を俺に差し出してきた。
「始めようか。俺たちのけん玉勝負を」
力強く言うけどアホらしくてしょうがない。
草汰なんか隣で今にも吹き出しそうなのを必死にこらえてる。
肩が小さく揺れててイライラする。
絶対楽しんでる。
意味不明な状況で困る俺を見て喜んでるよコイツ。

