空気に耐えられなくて口を開きかけたら少女の声がかぶさった。 女は俺の手を握りながら立ち上がる。 そして俺の腕を今度は両手で握り締めながら笑顔で俺を見上げた。 「王子様。是非名前を教えてください」 はあ? まだ寝ぼけてんのかこの女。 キラキラした目で見つめてくる。 ゔっ。 こいつヤバい。 俺の中で近づくなレーダーが反応してる。 「お名前は?」 再度女が尋ねる。 こんなのに関わったら絶対やべえ。 俺は女の手を払い急いで図書室を飛び出した。