「あれ?藤くんの家族は?」 こたつに潜った先輩が顔だけ出して訪ねる。 今年の冬は寒い。 まだ11月だというのに外から入ったらこたつに入りたくなる寒さだ。 でもだからって、ケーキほっぽって潜るとか……。 「ケーキ食べに来たんじゃないんですか?」 「そうだよー。 でも温まらないと味覚が麻痺してておいしく味わえないもん」 「そうですか」 もういいや。何でも。 いちいちツッコむのめんどいし。 そう思い、自分もこたつに入った。 その時、 「ひやぁ」 先輩が変な声をあげた。