そう思って荷物を持って廊下に出たときだった。



「ふーじくんっ」



ドアに隠れるように奴がいた。



「うわっ」



思わず草汰と俺は小さく声をもらした。



「えへへー。帰ろっか」



当たり前のように先輩は俺の腕にしがみつき歩き出す。



な、何なんだ?



この展開は。



びっくりしすぎて声がだせない。



俺を引いて先輩が歩き出すもんだから俺は首だけ後ろを向き草汰にヘルプの合図を送った。



(助けてくれ)



パクパク口を動かす俺。



しかし草汰はそんな俺を見てニンマリと笑った。



(明日も面白い報告待ってるぞ)



笑顔で手を降る少年。



草汰……。



俺は今日ほどお前を恨んだ日はないよ。



明日覚えてろよー。