「あっ」 女が突然ぴょんっと跳ね起きる。 「今日委員会だからもう行かなきゃ」 少女が教室の時計を見上げて俺たちに背を向ける。 扉まで走って行ったかと思うと何かを思い出したかのように足を止めて振り返った。 「私、高等部1年の籠原夢。藤くん、また会おうねー」 ひらひらと手を振り彼女は見えなくなった。 突然現れてこれまた風のように去っていく。 変な奴。