女のいた前のドアと反対の後ろの扉を急いで開けた。 「ふーじくん」 「うわっ」 開けた扉の向こうにさっきまで前にいた女がひょっこり出てきた。 突然のことに驚いた俺は引っ張っていた草汰を下敷きに尻餅をついた。 下から 『うぎゃっ』 という悲痛な叫びが聞こえたがそれどころではない。 おいおい。 移動すんの早すぎだろ。 唖然とする俺の横に女はニコニコしながらしゃがみこんだ。 「大丈夫ー?」 大丈夫じゃねーよ。 お前の頭がなっ。