―Side Shu―…
「もう夕枝には言ったけど、俺の名前は杉浦秀。そんで、年齢は二十八。今は会社で営業の仕事してる。ちなみに、人間」
「ちなみにって……、そこが一番大切なんじゃない!」
歩美という女のツッコミに、ひどく賛同したように、夕枝も坂田という男までもが頷いた。
長い名前を呼ぶのはひどく面倒で、もう、歩美と坂田って呼べばいいかと勝手に決めた。
「ま、順々に説明するから、まあ待て」
今にも飛びかかってきそうな歩美にそう告げ、用意していた次の言葉を出していく。
まずは、俺が人間であったということ。
そして、話の流れは俺が時計塔から初めて出た時にまで、遡る――。
夕枝の肩を抱きながら時計塔から出た、と思った時。
俺の目の前には、白だけがあった。
本当に、一体全体何事かと思った。
腕に確かに抱いていた夕枝の感触も温もりもなく、動けない俺が唯一動かせるのは、目だけだった。
そうして、くるりと白を見渡して、そこが病院であることを悟った。
白は、病院のシーツの色であったらしい。
「こ、こは……?」
「目覚めたかね?」
いきなりズームで飛び込んできた医者らしい男の顔に思わず俺はひき、次の瞬間、「痛ッ」と眉をしかめた。
そうして、そこの医者から、今が俺がちょうど時計塔から落ちたすぐ後で、病院に搬送され、なんとか一命を取り留めたことを聞かされた。
「もう夕枝には言ったけど、俺の名前は杉浦秀。そんで、年齢は二十八。今は会社で営業の仕事してる。ちなみに、人間」
「ちなみにって……、そこが一番大切なんじゃない!」
歩美という女のツッコミに、ひどく賛同したように、夕枝も坂田という男までもが頷いた。
長い名前を呼ぶのはひどく面倒で、もう、歩美と坂田って呼べばいいかと勝手に決めた。
「ま、順々に説明するから、まあ待て」
今にも飛びかかってきそうな歩美にそう告げ、用意していた次の言葉を出していく。
まずは、俺が人間であったということ。
そして、話の流れは俺が時計塔から初めて出た時にまで、遡る――。
夕枝の肩を抱きながら時計塔から出た、と思った時。
俺の目の前には、白だけがあった。
本当に、一体全体何事かと思った。
腕に確かに抱いていた夕枝の感触も温もりもなく、動けない俺が唯一動かせるのは、目だけだった。
そうして、くるりと白を見渡して、そこが病院であることを悟った。
白は、病院のシーツの色であったらしい。
「こ、こは……?」
「目覚めたかね?」
いきなりズームで飛び込んできた医者らしい男の顔に思わず俺はひき、次の瞬間、「痛ッ」と眉をしかめた。
そうして、そこの医者から、今が俺がちょうど時計塔から落ちたすぐ後で、病院に搬送され、なんとか一命を取り留めたことを聞かされた。


