時計塔の鬼



「用ってのはなぁ!」


「ナマイキな俺への苦情とか?」



連れて来られた時計塔の屋上部で、強い風が人間たちの髪を乱す。

皮肉ったように笑う杉浦秀を見て、囲んだ男たちは一瞬怯んだ。

だが、すぐに顔を歪めて、喚き出した。



「わかってんじゃねぇか! 自覚してるくせにその態度かよテメェ!!」


「一度くらい死んで来いや!」


「そうすれば、そのウザッってぇ性格も直るんじゃねぇのか!?」



ゲラゲラと笑う男たち。

対して、杉浦秀は皮肉った態度を崩そうとはしない。

ただ、スッと細められた目の奥で、鋭い眼光が彼らを捕らえただけだった。



「何か言ったらどうだよ杉浦ァ!」



怒鳴る男に、杉浦はふんっと嘲り笑う。



「やなこった。誰がテメェらみたいなヤツのために命捨てるかっての。首洗って耳ほじくって一昨日来やがれ」



自分で過去の自分のことを言うのはナンだが……かなり、性格も口も悪い。

今の自分と比べて、ひどくそう思う。

おそらく、今の俺が“こう”であるのは、夕枝やさくらのおかげだろう。

改めて、あの二人に感謝した。