時計塔の鬼



色素の薄い髪。

深い緑を含んだ瞳。

高い身長を持つ男。



俺は今、その男を空中から見下ろしていた。

俺は今、宙へと体を……いや、この場合、精神体と言った方がいいかもしれない。

簡潔に言うと、気がつけば、宙に漂いながらその男を見つめる俺が居た。



おれはおそらく、その男をよく知っている。

いや、知っている、どころの話じゃない。

なぜなら、あれは……。






「おい、杉浦」



イカツい面構えの、そこそこ高い身長を持った男が三人。

制服をだらしなく崩して着ていて、上靴のかかとは在って無しがごとし。

踏み潰されて、全く意味を成していない。



「んー? 何か用?」


「ちょっとツラ貸せよ」


「どこに?」


「上だ」


「ほいほ~い」



故意であると、本人でなくともわかるほど、ふざけた返事を返した、杉浦と呼ばれた男。

ヤツがふいに、くるりとこちら――俺のいる方へと振り返った。

予想が、確信に変わる。