―Side Yue―…

シュウの声は、震えてはいなかった。



驚いているってことは、その表情からうかがい知ることが出来るけれど。

対した驚きじゃなかったってことなのだろうか?

シュウの服の袖を、掴んでみる。

固い、筋肉の感触が、布越しに伝わった。

……もしかして、緊張しているのかな?

聞きたいけど、今はできない。



「うん、元気やった?」


「まあ、それなりに?」


「ならよかったわぁ~」



ほんわかしてる、というのだろうか。。

みかんちゃんを大人にして、落ち着きを備えた人、という感じがする。



くるりと、突然さくらさんが、視線を横にスライドさせて、私を見た。

茶色がかった瞳が、私を捕らえる。



「あんたが、夕枝ちゃん?」


「はい、そうで……」



途中までしか言えなかった。