ぶんぶんと首が上下に動かされた。
一つ一つの動作が大きくて、思わず吹き出しそうになるのを堪えた。
「どしたんですか?」
「え! な、何でもないよ?」
「みかんちゃん、その大袈裟な反応、直ってなかったのね……」
歩美のしみじみとした疲れの滲んだ声がやけに耳に印象的だった。
「みかん元気だったか?」
「うん! すごい元気やったで! お父さんが呆れはるくらい!」
「お母さんは?」
「最初から呆れてはるもん」
苦笑いを浮かべる坂田君。
なんとなくだけれど、みかんちゃんという子のことがわかった気がする。
気がするだけ、かもしれないけれど。
「坂田君、知り合いなの?」
「え、あ、一応幼馴染みだからな」
「そっかぁ~、ね、今何歳?」
「十四歳の中学二年生!」