時計塔の鬼



昨日はあまりに遅くなりすぎて行くことは叶わなかったけれど、今日は、なんだかすごく逢いたい。

幸せそうな歩美と坂田君を見たせいだろうか。

でも、理由やきかっけは何だっていい。



ただ、逢いに行きたい。

それだけだった。



シュウ……。

時計塔が、光を放っていた時のことが、連鎖して頭に浮かぶ。

拒絶したんじゃない、と。。

そう、はっきりと、聞きたい。

……シュウの口から。






ふと、いつになく大きい廊下のざわめきが聞こえてきた。



「ねぇ夕枝、何かあったのかな?」


「さあ……」



私たち二人はそれ以上には思わずに席について、コーヒーを飲んでいた。



「俺、ちょっと……」



生真面目な所がある坂田君は小走りで廊下へ出て行ってしまったけれど。

大したことじゃないといいな。

そう心で呟いて、コ-ヒーをすする。

まだ、熱い。