時計塔の鬼



適当に相槌を打ちながら、それはシュウにも使えるかどうか、考えた。

そもそもシュウって、日本食好きだったろうか。

ハンバーグは喜んでくれたことあるけれど。

お袋の味って、肉じゃが……とか?

私は肉じゃがよりも、お母さんのカレーの方が好きだったのだけれど。

……また、食べたいな。



「あ、信用してないでしょ」


「してるよ?」


「棒読み」



二人で顔を見合わせて、クスクス笑ってしまった。

歩美の作った料理は全部が美味しかった。

見た目も、すごく整っていた。



しばらく話をしながら食事を食べ終え、二人でキッチンスペースに立ち、食器類を洗う。

静かなアパートのチッキンに、水の流れる音がよく響く。



「歩美って料理教室とか通ってたの?」


「え? 別に通ってないわよ、そんなお金のかかる所。お母さんとお姉ちゃんに教えてもらってた」


「お姉さん、こっちに来るのいつ?」


「本当に近々って感じらしいけど、教えてくれないのよねぇ~……」



溜め息をつきつつも、歩美の腕は休まずにお皿を洗っている。

私はその横で濡れた皿を拭き、食器棚へと戻していく。



「そっか」


私の腕も休みはしない。

しばらく、キッチンには食器が擦れ合う音と軽快に流れる水の音が響いた。