どこかひどく寂しい。
暗い暗い、ハコの中に閉じ込められて……、けれどどこか温かい。
この感覚はきっと、シュウのものだ。
シュウは……寂しいんだ。
それは、私が今、傍にいないからじゃない。
きっと、未来が欲しいから。
……不思議。
本当に、不思議だ。
手にとるように、感じることができる。
これは、時計塔のチカラなのだろうか?
シュウ……。
「私だって、寂しい。私だって、シュウと生きていきたい」
心の声がポツリと零れた。
心は、尚も囁き続ける。
そう、願うことは、いけないことなのだろうか?
……さくら、さん。
闇夜に煌めく時計塔を目の前にして、そこに在るのは静かな空間。
待っていても答えはなかった。