時計塔の鬼



「三組はどうにかなりませんかねぇ?」


「はぁ……」



あまりに脈絡がなくて、さっぱり意味がわからない。

その返答を不服と感じたのか、その男性教師は苛々した様子で言葉を続けた。



「はぁ、じゃありませんよ。江川先生と沖田先生のクラスでしょうが。しっかりしてもらわないと困るんですよ」



その教師の言葉に、またしても、「……はぁ」と答えるしかなかった。

というか、これ以上に何を言えと望むんだろう?


“すみませんでした、何とかします?”

“私たちの努力が足りませんでした、精進します?”


そんな、中身のない言葉なんて、言わない方がはるかにマシだ。

表にこそ出さないものの、鋭いトゲの苛々が私をつついてた。

自制が負けていたら、“じゃああなたがやってみればいいでしょう!?”と逆ギレしていたかもしれない。



職場を変わりたくない私からすれば、そんなことはマイナスにしかならない。

だから、耐えた。

嫌味とも、愚痴ともとれる生徒への微かな悪意の籠った言葉に。

けれど、また次の言葉が私の我慢を決壊させた。