時計塔の鬼


「私……ね、昨日、言ったの」



そう告白すると、歩美は恥ずかしそうに身をよじった。

顔が上気している様は普段にもまして可愛い。



……もしかして、と。

歩美は目的語をスッ飛ばして言ったけれど、その様子を見てだいたいの予想がついてしまった。



「誰に?」



そして、もう一言。

今はこっちが本当に大事だと思う。



「何って?」



歩美はちょいちょいと私を手招きし、耳に口を寄せて、そっと囁いた。




「慎ちゃんにね、告白したの。……“好き”って」



熱に浮かされたような声音。

その声は、小さくて恥じらっているけど、抑え切れない興奮を帯びていた。