―Side Yue―…
「それでね、土方先生ったらひどいんだよ。なんと、お小言二時間!」
「でも夕枝は大方聞き流してたんだろ?」
「あは……うん、ついつい」
そう言うと、シュウは笑いを含んだ顔で、物言わず私をジッと見た。
……そんな目で見ないで欲しい。
「……そりゃあね、もちろん反省もしてるよ?」
「なら、いいんじゃねぇ?」
「ん。じゃあそう思うことにする」
そうして、二人でクスクスと笑い合う。
私はシュウと二人で過ごす、この時間が何よりも好き。
大好き。
「夕枝」
そっと呼ばれて顔を上げると、シュウの穏やかで優しい瞳にぶつかった。
深緑に近い黒曜石のような瞳に引き込まれる。
校庭で部活動中の生徒たちの声が、途端に遠のいていく。
夜なら近所迷惑程の音を出して活動してるはずのブラスバンド部さえも、存在を隠される。
「それでね、土方先生ったらひどいんだよ。なんと、お小言二時間!」
「でも夕枝は大方聞き流してたんだろ?」
「あは……うん、ついつい」
そう言うと、シュウは笑いを含んだ顔で、物言わず私をジッと見た。
……そんな目で見ないで欲しい。
「……そりゃあね、もちろん反省もしてるよ?」
「なら、いいんじゃねぇ?」
「ん。じゃあそう思うことにする」
そうして、二人でクスクスと笑い合う。
私はシュウと二人で過ごす、この時間が何よりも好き。
大好き。
「夕枝」
そっと呼ばれて顔を上げると、シュウの穏やかで優しい瞳にぶつかった。
深緑に近い黒曜石のような瞳に引き込まれる。
校庭で部活動中の生徒たちの声が、途端に遠のいていく。
夜なら近所迷惑程の音を出して活動してるはずのブラスバンド部さえも、存在を隠される。