時計塔の鬼



私の体に熱が灯った。

シュウが、いきなり私を包み込んだのだ。



「どうしたの? シュウ?」



話のくだりは、ちょうど入学式。

とある教師のカツラがずれていた、という所だ。



「ん~……なんか嫌な予感がした」


「嫌な予感? 鬼って予知能力があるの?」



私のその問いにシュウはフルフルと首を横に振った。

……シュウのこういう仕草は、とても可愛い。

心の内側で、そう零した。



「じゃあ、何なの?」


「わからない。……とにかく、気をつけろよ? 油断大敵だからな」



真剣な様子のシュウに「うん……」と返答し、しばらく黙った後、私は話を続けた。