井上 歩美。

大学からの友達で、教師仲間の一人。

暴走しがちで夢見がちで天然な、私の親友。



「あはは! そりゃそうだわ~。そういえば、夕枝って新入生クラスの副担任になったんでしょ? そろそろ時間やばいんじゃない?」


「あ、そうかも」


「もぅっ! 早くっ!!」



ぷくっと頬を膨らませて、腰に拳を当てて叫んだ後、歩美は拗ねたように階段を駆け降りていった。

彼女もまた、新入生クラスの副担任である。

そんな親友にまた苦笑を漏らして、私も歩美の後を追った。