時計塔の鬼


「二週間なんて、すぐだよ」


「そりゃ、そうかもしんねーけど」



まだ、ブツブツ零すシュウを見ては、苦笑を禁じえない。

自然にクスクス笑ってしまう。

冬の寒空の下に居たって、笑顔は浮かべられるものなんだ。



「笑うなって」


「ああ、ごめんごめん……。だって、シュウがなんだか子供みたいだったから」


「全然違うってーのに」



唇を少し尖らせた仕草は、拗ねた子供のもので、それが再び苦笑を誘う。

けれど、急に目を伏せたかと思うと。

シュウはガラリと表情を変えてみせた。

そこに浮かぶのは、先ほどの私と同じく苦笑だった。