そう。
昨日の夜、いつまで経っても帰って来ない娘を心配したお母さんが、友達の家に片っ端から電話をかけたらしい。
そして私は、帰宅早々にお母さんから長々と説教をくらった。
シュウと別れて家に帰る時には、辺りはもう真っ暗だったから、心配されても仕方ないのだろうけれど。
そして、心配をかけてしまった私が悪いのだろうということは重々承知しているのだけれど……。
『まいった』
というのが、今の心情だった。
「あー……。うん、ごめん。反省してる」
「本当に?」
「うん、本当に。心配かけてごめんね」
しっかり目を合わせて謝ると、柚子は仕方ない、といった様に肩をすくめた。