「うん、そういうこと」



たどり着いた答えに満足して笑みを浮かべると、シュウもはにかみ笑って――

急に、闇色が私の視界を染めた。


背中に回っているぬくもりに気付かされる。

私はシュウの腕の中に収まっていた。

思わず閉じてしまった目を開ければ、肩につくかつかないか程の髪が闇に映える白い吐息で少し揺れるのを、視界の端で捕らえることができる。

ついさっき、見えなくなる前に見えたシュウの安心したような微笑みが瞼裏に甦る。


もっと安心して欲しくて、彼の背中に腕を回した。

シュウの温かい腕が、心臓の鼓動をより強く感じさせるようにとばかりに引き寄せた。


そうして、実感する。

好きということを。

シュウのことが……本当に、本当に好きだということを。