パチンパチンとホチキスの音だけが響く教室で、あたしはただ恐怖に耐えていた。


早く終わらないかな……


結構分厚くなるプリントをホチキスで留めながら、あたしは全く集中出来ずにいた。


とりあえず、他の事を考えよう。


もう少しの辛抱だから。


あたしはプリントに視線を落とし、なんでもいいから目に入れようした。


プリントの表紙には、『部活紹介』と書かれていた。


その後に、たくさんの部活名と部員数が記入されている。


――部活、か。


別にやりたい部活もないし、これまた無縁なプリントだ。


そんな事を考えながら、やっぱり視界の隅に映る彼を意識せずにはいられなくて、また静かに目を向けた。