いや、それはないか。
だって相手は蔵島恭平だし、そんな事あり得ない。
係り決めの時に、何故か一番人気のなかった『プリント作成係』
誰も手を挙げる人がいなくて、ジャンケンで決める事になった。
係りの中で一番楽そうな係なのに、どうしてだろう。
そんな事を思っていると、
『今日は彼氏とデート』だとか、
『この後カラオケ行こう』だとか。
高校生の放課後は何かしら忙しいらしい。
まぁ、あたしなんて暇だからいいんだけどさ、係りのパートナーが……
考えただけで、憂鬱な放課後になりそうだ。
「莉奈、もし何かされたらすぐに連絡してね。
いつでも駆けつけるから」
グッと携帯を握りしめる真由が、あたしの前ですごく不安そうな顔をする。
あたし、まさか殺されたりしないよね――。


