信号が青へと変わって、あたしは絡まる足を必死に解いて二人の元へと急いだ。 「優斗君、美穂ちゃんっ!」 髪を乱しながら大声を出すあたしを、行き交う人々が不審な顔して振り返る。 二人もあたしの声に気づき、首だけをこちらに向けた。 「――莉奈ちゃん」 二人は驚いた顔をして、同時に声を出した。 けれどすぐに表情を曇らせ、瞳に涙を浮かばせた。 二人を見つけた事に安心して膝に手を付くと、二人はいきなり走り出し、先ほど見上げていた建物の中に入っていった。