「おいっ、大っ!」
やっとの思いで恭平の家にたどり着くと、大ちゃんが門に寄り掛かり腕組みをしていた。
「恭平っ!」
今まで焦る気持ちを抑えて、必死で待っていたのだろう。
青ざめた顔で、大ちゃんがあたし達の元へ駆け寄って来た。
「警察には言ったのかよ」
「あ、あぁ、電話はした。
だけど、あいつらが行きそうな所はないかって聞かれて……。
なぁ、恭平、あいつらどこにっ!」
大ちゃんは、恭平の肩を激しく揺らした。
「とにかく落ち着けって。
あいつらの足じゃ遠くには行けねぇだろ。まず、どうやっていなくなったのか教えろ」
恭平だって慌てているはずなのに、あたしや大ちゃんをこれ以上不安にさせないようにと、落ち着き払っていた。
そんな恭平の負担にならないように、乱れる呼吸をのみ込んだ。
「とりあえず、家ん中入れ。
頭ん中整理しないと動きようがないだろ」
恭平が言うと
「そ、そうっ!
恭平、優斗と美穂の部屋にっ!」
大ちゃんは早口で言うと、絡まる足に手間取りながら家の中へ走って行った。


