眼鏡を購入したあたし達は、以前真由に連れて来てもらった『Hony』というお店に入った。
あの時、あたしにアイスココアを勧めてくれたお店。
カランカランと音をたててドアを開けると、すぐにお洒落な照明や小物が目に入った。
店内に流れている音楽は、ゆったりとした洋楽だ。
二人用の小さな席に通され、汗ばんだ顔を手で扇ぐ。
恭平も服をパタパタ扇いで、体に冷たい空気を送り込んでいた。
「あっつ。
外暑すぎ、死ぬ……」
「ここから、出たくないよね」
二人して、生気が抜かれたようにぐったりと椅子に座る。
だけど、アイスココアが目の前に運ばれてきたら、すぐに元気は戻ったんだけどね。


