パチパチ瞬きしては、またごしごしこすっていた。 『漫画見すぎたかな』と頭を傾げる彼に、あたしもそうかもと頷いた。 しばらくすると、遠くからバスが見えてきた。 ゆっくりと走るバスには、相変わらず乗客が一人も乗っていない。 「また、病院行ってみたほうがいいんじゃない?」 バスの一番後ろに腰掛けて、隣で嫌な顔をする恭平を見上げた。 「めんどくせぇなぁ」