【長】純白花嫁

 連れられたのは質素ながらも、優雅さが表れた部屋だった。

「話をするなら、誰にも聞かれない方がいいでしょう?」

 そう言って、この部屋に半ば強引に連れられた。有無を云わせぬ物言いにわたしは何もできないでいる。
 その雰囲気に挫けそうになりながらも、それを必死に隠した。
 わたしの部屋とは違うエスニック的な椅子に座る。もちろん、テーブルもそれに合ったものだ。
 皇妃様は奥にある簡易キッチンのような場所でお湯を沸かしている。

「香り茶よ」

 考え事をしているうちにこちらに戻って来られた。
 差し出されたお茶からは花のようないい匂いがする。

「ありがとうございます」

 確か香り茶はまずその匂いを味わってから頂く……はず。
 頂いたお茶のカップを両手でもち、匂いをかぐ。

「いい匂いです。これは花の茶ですか?」
「……なるほど、この国の作法は知っているよう。それにこれを花だと当てるとは大したもの。この国には存在しない花だから匂いだけでは常人は気付かない」

 もしかしなくても、わたし試されている?