中村は目をこすった。
道路の先で、誰かが手を挙げているような気がしたからだ。
この先は、墓地…
黒い人影はだんだん近付いてきた。本当に人がいた。
中村は車を停め、後部座席のドアを開ける。
スーツ姿の若い男が乗り込んできた。びしょびしょである。
「いやあ、助かった」
中村はルームミラー越しに男を見た。
「どちらまで?」
「東京駅までお願いします」
タクシーは走り始めた。
道路の先で、誰かが手を挙げているような気がしたからだ。
この先は、墓地…
黒い人影はだんだん近付いてきた。本当に人がいた。
中村は車を停め、後部座席のドアを開ける。
スーツ姿の若い男が乗り込んできた。びしょびしょである。
「いやあ、助かった」
中村はルームミラー越しに男を見た。
「どちらまで?」
「東京駅までお願いします」
タクシーは走り始めた。



