「あの・・・あの指輪だけど・・・。」



僕は、ポケットの中の指輪を握りしめ・・・




そして・・・



彼女の左手薬指に・・・


気がついた。




「無くした指輪の代わりに彼が・・・。」


新しい指輪だった。




僕は何も言えず

ただ



ポケットの中の指輪を握りしめた。





これが無くても・・・


そう・・・



彼女は彼の妻




「そっか・・・よかったね。

僕もあれからまた探してみたけど・・・。」




見つかったと言って返せばいい。



なのに



最後にまた・・・嘘