私はビデオカメラマンとして、伊沙子さんと一定の距離をおいて歩く。コロッセオの一つのアーチが入口になっていて、その入口にローマの写真と日本語による解説をした本を売っていた。早速伊沙子さんはその本を買い、中に入る。コロッセオの中に、観光客が吸込まれている所為であろう。コロッセオの外側は、疎らであったが、その中は、様々な国の観光客でごった返していた。
このアーチをくぐったところは、観覧席の一階になっていた。一階は皇帝等の貴賓席、二階と三階は庶民の席、四階は立見席になっていたそうである。観覧席を支えていたと思われる煉瓦造りの壁が、闘技場の地底に向かって放射状に突き刺している。暗くて重い感じた。私は、当時の人の指紋を辿ろうと思ったが、この煉瓦造りの壁は既に風化しており、当時の息吹が伝わってこない。静寂ではない、骸骨を見ているような沈黙だけが伝わってくる。闘技場の地下室は剥き出しになっていて、崩れた壁が地下室の間仕切りを見せているだけである。じーっと静止した静けさだけである。霊感を感じさせる静けさである。静寂のような圧縮されたエネルギが感じられない。
このアーチをくぐったところは、観覧席の一階になっていた。一階は皇帝等の貴賓席、二階と三階は庶民の席、四階は立見席になっていたそうである。観覧席を支えていたと思われる煉瓦造りの壁が、闘技場の地底に向かって放射状に突き刺している。暗くて重い感じた。私は、当時の人の指紋を辿ろうと思ったが、この煉瓦造りの壁は既に風化しており、当時の息吹が伝わってこない。静寂ではない、骸骨を見ているような沈黙だけが伝わってくる。闘技場の地下室は剥き出しになっていて、崩れた壁が地下室の間仕切りを見せているだけである。じーっと静止した静けさだけである。霊感を感じさせる静けさである。静寂のような圧縮されたエネルギが感じられない。



